西暦2000年の到来と共に、「にほんごひろば岡本」にも新しい仲間が増え交流の輪が少しずつ大きくなっていく喜びを実感しています。
 現在、ボランティア登録者38名、学習者16名で、24名の方に 学習支援をしていただいています。学習者の内訳を見ると男性7名、女性9名、国籍は、中国6名(台湾2名を含む)、ブラジル4名、韓国2名、インドネシア、ベトナム、カナダ、アルゼンチン各1名、年齢は、10代、4名。20代、7名。30代、2名。40代、3名となっています。
 「日本語学習」を通して、外国の人々と異文化交流をし、地域での共生の一助となることを「にほんごひろば岡本」はめざしています。と、同時に、性別、世代、立場の異なる支援者の方々が「日本語学習支援」という共通の活動を通して、気軽に声を掛け合い交流できる広場でありたいと思います。
 今後とも、どうぞよろしくお願い致します。みんなで創っていく「にほんごひろば岡本」−どしどし、ご意見・ご要望をお寄せ下さい!


※今回は支援者の方々に学習者の紹介をお願いしました。楽しいコメント、支援活動への思いなど・・・こころよく寄せてくださいました。

☆ ロサリタさん(女性)インドネシア出身

 私たちが日本語を一緒に教えているロサリタさんは、19歳なのに!人妻です。私たちより年下なのに…うらやましい限りです。とっても明るく、料理が趣味のロサリタさんは、キムタク(木村拓哉)が好きで、ドラマも見ています。(意味は分かってない?!)
 現在使用中のテキストは「みんなの日本語」で、11課を勉強しています。驚異的なスピードで、私たちも驚いています。やっぱり、若いからかな?なんて言うと怒られそうですが。先日、全く日本語を知らなかったロサリタさんから、「あれ、何?」と聞かれ、教えた日本語を使ってくれてる!(助詞が抜けてますが。)と大喜び。日本語を教える喜びを日々感じている毎日です。

(文、大石 千華・大島 美帆子)

 昨年の夏、武庫高校コミュニティカレッジの日本語学習支援者養成講座開催のお知らせを新聞で知り、受講しました。子供たちが独立し時間的に余裕ができたので人との関わりあいの中で何か勉強したいと思っていたところで講座終了時にここ「にほんごひろば岡本」が開設されると知りお手伝いできればと登録しました。
 12月にロサリタさんが来られて、2人の学生さんと組んで支援することに決まり、「さあ、大変、どうしましょう」とオロオロしながらの学習が始まりました。まだまだ不慣れなため言い間違えたりの失敗の度に2人で顔を見合わせ大笑いしながらも飲み込みの早い優秀なロサリタさんのおかげで毎回和やかに勉強しています。女の子のいない私にとってロサリタさんとのふれあいはとても新鮮で楽しみなひとときです。
ふとしたきっかけから新しい生活が始まり、巡りあいの不思議を感じながら一緒に日本語の学習をしていきたいと思っております。

(文 、小網 千恵)

☆ 黄 桂宏さん (男性)  台湾出身

 昨年10月、パリからきました。32歳の物静かで、思慮深い男性です。奥さんは日本人です。フランス語、中国語、話せます。パリには仕事の関係で、10年ほど住んでいました。
  日本の映画が好きです。「七人の侍」も、パリで見たそうです。日本酒も好き、とのことです。
 今年の1月末から「にほんごひろば岡本」に来ています。使用テキストは「みんなの日本語初級T」 今、12課に入ったところです。毎回きちんと予習し、多量に出される宿題(出しているのは私ですが...。)も、完璧にこなす、大変な努力家です。
 今、最もまじめに日本語を勉強している人ではないかと思います。日本語を学ぼう、覚えようという意欲、「うーん。むずかしいなぁ−。」と言いながらも、一生懸命話そうとする姿は素敵です。今後もそのひたむきな努力により、日本語の上達を目指して下さい。
 これからもどうぞよろしくお願い致します。

(文 、山本 晃子)

☆ シルビア・エレナ・権藤さん (女性) ブラジル出身

 私が日本語ひろばで、初めて教えることになったのは、1月初めに電話を頂いた時でした。その日教室に行って、初めて、シルビアさんに会いました。おとなしい人かなと感じました。が、きっとお互い緊張していたせいだと思います。
 はじめての授業のとき、本当に教えられるのかな、鋭い質問がきたら...。と色々考えていましたが、シルビアさんは日系人で、おじいちゃんおばあちゃんとは日本語で、話していたり、小さい頃は日本語学校に通っていたり、KFCで、勉強していたこともあって、思っていたよりもかなり日本語が通じました。だからいくらか安心した部分もありました。テキストは問題なくスムーズに進んでいます。ただこの前、「これは小学生の教科書?」と聞かれ、大分やさしく感じているのだなと分かり、ペースをあげました。そして、前から希望していた漢字も勉強し始めました。今までに、授業は5回しましたが、とても勉強好きという印象があります。やる気もあって、最近では色々質問されるようになりました。授業前後にするおしゃべりも、とても楽しそうです。ブラジルのことも時々教えてもらい楽しい時間を過ごしています。これからも仲良く一緒に勉強していければいいなと思います。

(文 、中禮 かおり)

☆ デリ−・マクドネ−ルさん (男性) カナダ出身

 「とってもシャイでハンサムなカナダの青年よ」というコ−ディネ−タ−からの電話で、喜んで引き受けたのですが、さてどのようにレッスンをすすめていったらいいものかと初めは考えてしまいました。けれども緊張気味の1回目のレッスンが、回を重ねるごとに、どんどん変わってきました。大変シャイで、口数が少ないと思っていた、デリ−君が、実は本当はとても話し好きだとわかってくると同時に、テキストを離れて他の話をする時間が増えてきたのです。彼が色々なことに興味を持っていて、些細なことでもおもしろいおもしろいと聞いてくれるからです。彼のカナダについての講義時間も増えてきました。私があまりにもカナダについて知らないからでしょう。今では あんなに何を教えようかと考えていたのがうそのようにスムーズにレッスンが進み、あっという間に時間がたってしまいます。お互いの文化を教え合いながら、自然に日本語を教えていけばよいのだと、ここに来るのが楽しみになっている今日このごろです。

(文 、松見 和代)

 デリーさんとの双方向学習
 デリーさんは妹3人の長男のためか当たりはソフトながら、さすがにJohn Bull系の芯の強さを感じます。出身地(バンクーバー)の、というよりカナダ有数の名門、UBC(University of British Columbia)卒だけに飲み込みも極めて早いのに、先走りせず、謙虚で真摯な学習態度は好感が持てるうえ、来日以来2年間英語教師をしている、いわば語学教育のプロですから、支援側も力が入ります。直説法を心がけ、母語は極力理解の確認だけに留めるようにしているのを察知し、自分もできるだけ日本語で通そうと努力している点、さすがと思えます。
  「にほんごひろば岡本」に来る前にYMCでStep4まで勉強済みで、漢字も300字程度書けるほか、読解力、聴解力もかなりあって中級も可能と思えるほどですが、ご本人も納得のうえ「現代日本語初級総合講座」が教材に選ばれています。題材が新しく内容にも興味が持てると評価しているようです。
 1年後には母国カナダの大学のMBA Japan(または、Japanese)を日本で履修することを目指しているので、将来は母国で「日本」を教える可能性が大きいだけに「普通の日本と日本人」を正しく理解してもらうことも肝要と考えています。従って、教科書以外に日本古来の風習や、彼サイドのことをできるだけ色々話してもらう中からカナダとは違うと思われる日本の決まり、呼び方などもできるだけ話すように心がけています。例えば、彼の妹さんが双子と聞いたので、日本では、双子は後で生まれた方が長子だった、とか都度説明すると目を丸くしてメモしています。また、彼の学習申込書にEメイルのアドレスを見つけたので日本語でメイルを交信しそれを次のレッスンで検討していますが、これも面白く有益と感じてくれているようです。
 学習者のレベルや興味に合わせて話題や副教材を選んでいけるのもマンツーマン方式の良さでしょう。彼に教えられ考えさせられる毎日とも言えます。ありのままの日本(人)を知ってくれるカナダ人が一人増えてくれれば幸いと頭髪を犠牲にしてでも頑張りたいと楽しく励んでいます。

(文 、竹中 興時)

☆傳 瑞さん (女性) 中国出身

 ご主人の仕事(神戸大学の先生)で2年前に日本に来ました。もうすぐ3歳になる瑞含(レイハ)ちゃんという娘さんとの3人家族です。傳瑞さんはいつも勉強が終わると、「あー、楽しかった。」と言ってくれるので、私も本当にこちらのほうが、「あー、楽しかった。」と言いたいくらいです。
 彼女は中国ではアナウンサーであっただけに、話す日本語はとてもきれいで、いつか漢詩を読んでもらえればと願っています。お互いに主婦なので、勉強というよりも子供のことや料理の話など、生活面でのサポートを望んでおられるようなので、気持ちよく肩の力を抜いて支援できればと思っております。

(文 、市川 邦子)

☆ 方 立建さん(男性) 中国 上海出身

 奥さんが10年前来日し、本人は2年前来日した。三宮の会社で午後2時から11時まで働いている。小学校5年生と2年生の男の子がいるが、下の子は本国に残してきた。
日本語はKCAで6ヶ月学んだ。趣味は読書。「しんにほんごのきそI,II」を学習したと言うことですが、6ヶ月でI,IIを学習できる訳はないので、どうやら独学のようです。ですから、意志も強く、相当の勉強家です。それはそれで非常に結構なことです。でも、語学の学習としては、ちょっと問題があるように思います。例えば、テスト上の助詞の使い方などほぼ満点なのですが、会話の中ではよく省略されます。仕事上においても会話が少なく、また、家庭にあっても勤務時間の関係で会話があまり交わされないとの事でもあり、読んで理解することは得意でも、聴いたり話したりすることは苦手なようです。
 ですから、方さんにとって、今一番必要なことは、沢山話すこと、沢山聴くことではないかと思います。
 刻苦勉励もよいでしょうが、私はもっと楽しく学んで欲しいものだと思っています。

(文 、四本 祐)


〜日本語教育ワークショップ レポート〜

 「にほんごひろば岡本」の第一回目の研修会は平成11年12月25日に開かれました。
 指導は下田美津子先生(神戸松蔭女子学院大学)がしてくださり、登録されているボランティアのうち約30名が参加されました。今回は初回の勉強会らしく、やはり、1、助詞の話しから始まり、2、タスク(話しを引き出す)という内容でした。
1、助詞の話
47の文章にそれぞれ、主に格助詞を入れて文章を完成させていきました。中には一つの文章に複数の助詞が考えられるもの、また、学習者が間違って使う助詞も考えてみました。そして、そのようになる原因を以下の8つの項目に分けて考えてみました。
 それは、1)教育上の配慮、2)文法的な問題、3)社会言語学的な問題(地域差、性差、年齢差…)、4)言語変化(母語話者)、5)話し言葉、書き言葉、6)丁寧さ、7)formal,informal、8)誤用分析(中間言語―過剰一般化、転移(正、負)、化石化)です。文章も日本語のテキストに出てくる提出順序で書いてくださり、既に実際に学習者を持っているボランティアにはとても役に立ったと思います。
2、タスク(話しを引き出す)
 ここでは、2人がペアーを組みそれぞれボランティアと学習者(どこの国でも良い)の役でペアー・ワークを行いました。ある話題(趣味、わたしの好きな食べ物、わたしの故郷、わたしのくに、先週の日曜日、子供時代…)を決めて、媒介語は英語という設定で話しをどのようにして引き出していくかという作業でした。このタスクを通して学習者の立場にたったらどのような困難があるのかを考えさせられたような気がします。
 後でそれぞれのペアーの発表を聞きました。あるペアーは中国人の学習者という設定できのうの日曜日という話題でしたが、神戸のルミナリエも出てきてとても身近で、アップ・トゥ・デイトな話しでした。また、そのほかにエジプト人の学習者という設定で、食べ物を話題にしていたペアーもありました。暑い国なのでスイカを食べますというような話しにしてあり、とてもよく練られたタスクだったと思います。日本語教育でのタスクにはいろいろなものがありますが、このように私たちが実際にタスクをしてみたという経験はとても良かったと思います。
 勉強会で、基本的な文法の勉強だけに終わるのではなく、タスクなどのような新しい指導方法も紹介してくださり、現在の日本語教育に触れられるのは、小さな地域のボランティアにとってはとてもありがたいことだという感想を持ちました。最後になりましたが、下田先生にお礼を言いたいと思います。

 感想  「にほんごほろば岡本」にはゲンザイ16名の学習者が来られています。昨年の11月、12月の広場は人もまばらで、まるで早朝の広場といったところでした。しかし、「良いことは束になってくる」の諺どおり1月、2月にはどこからともなく人が集まり、広場も次第に賑やかになってなってきました。現在は月、水、金、土曜日に学習日を設けていますが、特に水曜日は一番人が多くて、広場も活気に溢れています。
 広場に集まってくださる人は、それぞれ様々なバックグランドをもっていらっしゃいますが、皆に共通していることは、自らが進んで日本語を勉強したいという点です。ですから皆さんとても一生懸命勉強され、約束の時間の20分も早く来られる人もあります。こんな学習者の態度には、私たちボランティアも頭が下がり、しっかりとした日本語教育を提供しなければと、発破を掛けられている気がします。そのためにも、ワークショップに参加し、私たちも勉強していかなければと思っています。また、このワークショップでは日頃疑問に思っていること、困っていることをフランクに話し合っていけたらと思います。広場がいつまでも賑やかで、集まった人たちが楽しいと感じられるような、そんな広場が作っていけたらと願っています。皆さん、ご一緒に楽しい広場を作って行きませんか。

(文 、佐古田 幹子)

編集後記
 第2号の発行が大変遅くなりましたが、多くの方のご協力のおかげで、8ページにもなりました。次号の内容etcについて皆さんのお知恵を拝借したいと思っています。どうぞヨロシク!



代表:西村佳子(Nishimura Yoshiko)
written by Nishimura Yoshiko

もとにもどる