…Curiosity、そして「応える」
30年余も以前に、私は「餓鬼」という同人誌を創ったことがあります。ガリ版刷りで製本も手作り・趣味的なフランス綴じの小誌で、たしか3号くらいであえなく休刊してしまった…同人誌にありがちなありふれた話の続きでもあります。
1998/08/16 現下の「経済不況」に対する有効な手だては、必ずしも「恒久減税」だけで もなかろうかと思います。問題は、「デフレ」にあります。もっと端的に言えば、「地価の暴落」にあります。「バブル地価」に恐れをなして、現下の「下がりすぎた地価」問題に言及しないのは、政治の「怠慢」そのもといえるでしょう。 毎日毎日80件の倒産・1000人の失業者という嵐が吹きまくっている現下の「不況」は、「クレジットクランチ(貸し渋り)」に直截的な原因があります。その遠因は、「バブル地価」の崩壊以降「下がりつづける地価」を放置し、昭和50年代の地価にまで下がってしまった「デフレ地価」です。バブル直前の昭和61年当時を基準とすれば、平成元年が200〜250、3年初頭がおおよそ 400でした。そこから、坂道を転げ落ちて、平成6年が120、いまが80くらいでしょうか…。したがって、土地が「担保価値」を失ってしまったので「貸せません」というのが、現在の銀行窓口の対応です。 「地価は、現在のおおよそ2倍くらいが適正地価である」と一言、政府が発言すべき時が来ています。羹に懲りて鱠を吹くがごとき「インフレ恐怖症」から、大胆に一歩を踏み出すときなのです。 現在の地価を2倍に政策誘導すれば、担保余力が生まれ、金融機関からの借入が、つまり貸し出しがスムーズになり、企業の資金繰りに余裕ができ、投資意欲が湧き、結果、景気浮揚ができるであろうと思われます。 少なくとも、中小企業対策の先頭に立たなければならない「国民金融公庫・中小企業金融公庫」の窓口が、「貸し出しには、担保が必要である」「担保、担保、保証人保証人」と叫びつづけるといった姿勢を切り替えない限り、「毎日毎日80件の倒産・1000人の失業者者」という地獄から這い出ることができません。補正予算における中小企業対策だ、貸し渋り対策だといくら叫ぼうと、政府系金融機関の窓口では、依然として、きわめて厳しい対応が続いています。結果、従業員20名規模の零細企業が10億円くらいの負債を抱えて倒産しつづけているのです。 政府が「現在のおおよそ2倍くらいが適正地価である」と言い、国金・中小公庫が「担保評価として地価の2倍をめどにして貸し出しする」という施策・対応ができれば、一挙に景気浮揚がおきるのは火を見るより明らかです。政府は言うに及ばず、政治に携わる人人は、ただちに、政策発表を実行するべきです。
1998/08/15 失業率は記録を更新しつづけ、企業倒産が相次ぎ、土地デフレは止まるところを知らず、円安には歯止めがかからず、まさに「恐慌前夜」ともいわれる現在の状況を、人人は「第三の開国」と呼ぶらしいのです。明治維新、昭和の敗戦そして今次の「平成不況」だそうです。そういう意味では、この日記を再開するに相応しい日なのかもしれません。 そもそも「恐慌」なるものがいかなるものであるのかは一概にはいえないにしても、現在は、私たちがかつて経験のしたことのない「不安」な経済的社会的な環境にあります。 この「不安」は、長期的には「超老齢化社会」への不安であり、短期的には「失業」や「倒産」の現実的な恐怖にあります。 前者についていえば、マスコミの絶対的価値として位置づけられている「人の命は、地球よりも重い」ということに対する深い疑念であり、人生80年をもてあましてしまうような日日の生活力の息切れと関係しているもの思われます。これは来るべき年金生活の経済的な不安という皮相的なものではなく、「人間いかに死ぬべきなのか」という日頃考えたくもないテーマに否応なく対応させられることへの苛立ちと相俟って、心底穏やかならざる不安として重く圧し掛かってきています。
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